大人の少年で、僕はありたい。

コンサルのお仕事やっています。 このブログには、自身の経験からくる「大学時代」と「就職活動」、そして10代の頃に知りたかった社会のリアルを書いています。

齋藤孝『くすぶる力』を読んで 〜くすぶりの時代を経験することが強いエネルギーになる〜

 

以前に書いた記事の中でちらっと紹介した本ですが。

yuto.hatenadiary.jp

 

齋藤孝氏の『くすぶる力』という本。

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(読みすぎて、本がきちんと閉じなくなってしまっている)

すごくいい本です。

僕は齋藤孝先生の本をたくさん読んできたのですが、この『くすぶる力』という本は、僕が最高傑作だと思っている『孤独のチカラ』という本と並んで、最高にいい本だと思っています。

 

ちなみにですが、上の写真に写っている赤い鉛筆は、デルマと呼ばれる赤鉛筆で、僕はこれを使って線を引きながら本を読んでいます。(この赤鉛筆を知っておられる方はいますかね?)

クレヨンみたいに太く線が引ける色鉛筆で、僕のお気に入りです。まあ正直、なんでもいいのですが。

 

さて。

明治大学の教授であられる齋藤孝氏ですが、近年ではテレビ出演もなさっていて、最近だと朝のニュース番組(TBS系)の司会をなさっていたということで、そこで認知した方も多いのではないでしょうか。

(僕はテレビを見ないので、その番組は知らないのですが)

 

僕は多分に、いまの理学部で物理を学んでいなかったなら、きっと文学部に行っていたと思うのですが、もしその道を選んでいたら、一度は明大の文学部に行って、先生の講義を受けたかったなと思っています。笑

明大じゃなかったらどこだろう。早稲田の文学部かな。憧れの先輩がたくさんいるのと、僕とっての大学生活のイメージはなぜか、東京の私大の文学部の大学生活に置き換えられています。

その大半は、中谷彰宏さんとか村上春樹さんの本の影響ですが。

 

くすぶっている自分を理解する

この本はとにかく素晴らしいと思います。

先に挙げた齋藤孝氏の『孤独のチカラ』という本もそうなのですが、この本には彼が売れない時代の怨念みたいなものが込められています。

20代。自分の理想はすごくすごくあって、でも一方で社会的にはなかなか評価されない。

妄想的な理想を掲げて、自分では確実に大きくなっている確信があるにもかかわらず、誰からも認められないという葛藤。

そういう「自分への期待値の高さ」と「他者からの評価の低さ」のギャップの時代を、氏は”くすぶりの時代”と言っているんです。

すごくわかるなって思うんですね。

 

他者からの評価は、やっぱり必要なんです。特に若いうちはそう。誰かから認められて、社会に評価されて、そこから仕事として突き抜けて行くことができる。

自分の好きなことだけをしていれば、そこに他者評価は必要ないわけですが、自分の理想があって、それを仕事として実現して行くには、やっぱり評価が必要なわけです。

同時に、じゃあ認められることだけやっていけばいいかというと、そうじゃない。自分には、ものすごく高い、それこそ妄想と言っていいほどの理想があって、だからこそそのギャップで葛藤を覚えるわけなんです。

その想いの強さだったり、くすぶっている時代の怨念のようなものが、今の氏のエネルギーになっているんだと。

 

僕は、そういう時代っていいなと思うんです。

言うなれば、僕の今の時代だって、きっとそうなんです。(そうだといいな)

僕が将来本を書いたとき、それがいつになるかはわからないけれど、10代から今の20代の時代というのは、確実にそのくすぶりの時代なわけです。

そうやって自分の中に「何か」を入れていく作業は、やっぱり僕はどんなに短くても10年はかかると思っていて。

だからこそ僕は就職という選択をするし、できる限り自分の中に抽斗を作っていきたいからこそ、人材業界という企業の扉を叩いた。

そこには僕がこれから先の10年で培っていく「何か」があると思っているからです。

 

もう一つ僕の話をすると、僕は大学時代の後半の約2年間は、すごくいろんな経験をしました。

それを望んでいたかというと、そういうわけではなくて、本当に巡り合わせとご縁で、いろんな経験をさせてもらった。

でも、実はそれまでの時代というのは、全くもって真逆の時代を過ごしています。

それまでの時代とはつまり、僕が高校に通わなくなったのが16歳の頃なので、ちょうど17歳くらいから大学2年になるまでの約5年間という時間です。

とことん、一人になっていろんなことを考えて、徹底的に自分と向き合ったその時代があったからこそ、大学2年の終わりからは全く違うところに足を踏み出せたんだと思います。

逆に言うなれば、そのくすぶりのような時代がなかったならば、僕が今までしてきた経験というのは、すごく薄っぺらいものになったんじゃないかって。そんな風にさえ思えてきます。

 

この本の中には、彼が大学に職を得る前の時代のエピソードだったり、そのときの考え方とかが綴られています。

僕もまだまだくすぶる時代を経験したい。

同時に、その経験をこうしてブログで書き綴っておくことができる今の時代は、貴重なものだと思いつつ。

今回はあまり本の中から引用はしなかったのですが、興味を持った方は是非読んでみては。

くすぶる力

くすぶる力

 

 

あと、『孤独のチカラ』もすごくおすすめです。

孤独のチカラ (新潮文庫)

孤独のチカラ (新潮文庫)