大人の少年で、僕はありたい。

コンサルのお仕事やっています。 このブログには、自身の経験からくる「大学時代」と「就職活動」、そして10代の頃に知りたかった社会のリアルを書いています。

『自分の時間を取り戻そう』(ちきりん著)と『生産性』(伊賀泰代著)を読んで 〜「生産性」という概念を身につけること〜

 

明日と明後日にセンター試験を控えた金曜日の午後に、大学の図書館に来ています。

まさか今日が休講とは知らず、いつも通りゼミのつもりで大学に来たので、そのまま図書館に引きこもっています。

 

今日は、お昼頃から二冊の本を読みました。

と言っても、一冊は以前にも一度読んだことのある本。

 

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

 

ちきりんさんの書いた『自分の時間を取り戻そう』という本。

こちらは以前にも読んだことがあって、2回目。

2回目をパーっと読んで、そのあとに、こちら。

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

 

伊賀泰代さんの『生産性』という本を、2時間くらいで読みきりました。

 

この2冊に共通して書かれているのが『生産性』という概念です。

その中でも特に「時間の生産性」に関して特化した本が、一冊目の『自分の時間を取り戻そう』というイメージ。

そして、二冊目の『生産性』という本は、どちらかというと企業(組織と人材)に寄って視点で書いています。

 

さて。

もう、この二冊は強烈でした。ほんとに。

何がって、今までの自分の価値観が、まるっと変わったから。

そもそも僕らって、まあ”僕ら”と一括りにすると読んでいる人に怒られそうなので、なんだろう。普通に生きて普通に生活をしている中では、なかなか「生産性」ということを考えないんですね。

そもそも、その概念すらない。

概念がないというのは怖いもので、わからないとか理解できないとかではなくて、そもそも「考えることすらしたことがない」というレベルなんです。

 

いや、そんなことはない。自分は時間の使い方、あるいは組織のパフォーマンスについて、考えてきたよ。

という人もいらっしゃると思います。大半はそうかもしれない。

僕は、個人的にですが、そういった方にこそ、この本を読んでほしい。特に二冊目に紹介した『生産性』(伊賀泰代著)の本は素晴らしいです。

なぜなら、僕自身が「いやいや、僕だって多少なりとも”生産性”について考えてきたし、むしろ割と上司に言われてきた中でいろいろやっていたんだから、多少はわかるっしょ。それに、今までもそういうパフォーマンス向上のためのビジネス書はいろいろ読んできた気がするな」というようなスタンスで読み始めたからです。

(伊賀さん、ごめんなさい。そして、一大学生に過ぎない僕が生意気言ってすみません。)

 

一冊目の『自分の時間を取り戻そう』(ちきりん著)も素晴らしい本なのですが、どちらか一冊を選べと言われたら、伊賀さんの書いた『生産性』をお勧めします。

こちらを読めば、「時間の生産性」に関しては、わかる人にはわかるような内容になっていると思うので、ということです。僕の勝手な見解ですけれど。(できることなら、ぜひ二冊読んでみてほしい)

 

さて。この『生産性』という本は、 

成長とは、生産性の向上である。

という前提のもと、組織と人材の”生産性のあり方”について、これでもかというほどに言及しています。

この本一冊で、企業研修がどれほどできるんだとうという、そういうレベルだと思います。 

 

***

 

さて。ここからは伊賀さんの『生産性』を読んで思ったことを幾つか。

まず僕が一つ目に脱帽させられたのは、

採用の生産性を考える 

という箇所です。わりと序盤の方にあります。

そもそも僕らーー”僕ら”というのはいわゆる就活生であったり、あるいはHR(人材領域)に関わる企業に就職する人であったり、そしてそもそも採用活動を行なっている企業も多少は入るのでしょうかーーは、「採用の生産性」ということ自体、ほとんど考えたことがないのでは、と思います。

もちろん、費用対効果の面で、例えばいくらのコストに対して採用人数が何人とか、その改善のためには採用設計をどうするかとか、そういった視点では議論をします。

でも、そもそも「応募者が増えれば、優秀な人が集まるという考えは、間違っている」という指摘に、なるほど!ですよね。言われてみれば、それはそうだ。

でも多くの企業の新卒採用部というのは、例えば上に報告を上げるために、「一定人数の母集団の確保」と「その中からの採用人数」の両方で数値を考えるはずです。(あくまでも、学生の僕からみてそうだ、ということです)

でも、究極的に言えば、例えば今年の採用目標人数が10人であれば、最も生産性の高い採用というのは、10人が応募して、その中から10人を採用する、というものであるはずなんです。それはそうだ!

 

でも、多くの企業はそれとはむしろ逆のことをやっている。

10人の採用に対して、母集団を1000人作ることが、有効な採用方法だと思っていて、そこに莫大なコスト、つまりは人件費と広告費等をつぎ込んでいるわけです。

ふむふむ。

もちろん、1000人の母集団を作るのが問題なのではなく、また10人 / 10人 の採用というのはあくまで理想的な場合ですが、そこに近づけるための施作を考える、議論するというのがおそらくは「採用の生産性」を上げることにつながるのでは、ということですね。

 

という議論でいくと、例えば、「とりあえず応募する学生」を減らす、という施作案が出ます。

 

(ここから先は、僕の見解です↓)

近年では、多くの企業がこの「とりあえず応募する学生」を減らすために、例えばエントリーには説明会の参加を義務付けてみたり、会社説明のための1時間の動画を必ず再生しなければ次のページにいけなかったり、あるいはむやみやたらに長い論文が設問であるES(エントリー・シート)を課したり・・・という風にです。

ちなみに、これらは全部僕の実体験。

でも、これって実は「採用の生産性」の向上を考えた施作ではない、ということなんですね。

なるほど。

じゃあ、説明会参加を義務付けたら、本当に「自社に対して本気の学生」が集まりますか?

動画を早送りできないシステムにしたところで、本当に1時間真剣にその動画を見続けた学生のみがエントリーしますか?

やたらと長い論文を課したところで、じゃあ一体誰がそれを見るんですか?

ということで、僕自身の就活も振り返りながら、むしろ採用の生産性が下がっているのでは、ということを考えていました。

 

伊賀さんの主張では、学生の側が自分で、自分がその企業に合っているのかということを判断するための「セルフ・スクリーニング」の基準を、企業の側が適切に提示できていないことが問題だと。

突き詰めると、本質的ではない施作をしている、つまりは「採用の生産性」について適切な議論がなされていないことが本質の問題である。ということなんですね。

なるほど。。

 

***

 

上の話は「採用」という側面における「生産性」の話だったのですが、それ以外にも組織全般、人事制度、マネジメント、育成、というような様々な場合における「生産性」という話が書かれています。

ちょっと固めのビジネス書ではあるのですが、抵抗がなければ是非一度は手にとって読んでほしいと思える書籍でした。

僕もその視点を持って成長したいです。。具体的な行動まで落とし込むところまでやりたい。

読んでくださって、ありがとう。