大人の少年で、僕はありたい。

コンサルのお仕事やっています。 このブログには、自身の経験からくる「大学時代」と「就職活動」、そして10代の頃に知りたかった社会のリアルを書いています。

芥川賞受賞作品『コンビニ人間』を読んで 〜どこまでも「普通」を強要する社会〜

 

今年、芥川賞を受賞したとして話題の『コンビニ人間』を読みました。

美味しいカフェオレを出す、行きつけのカフェで。

1時間くらいでさっと読み切ることができました。

(カフェオレ美味しかったです。ご馳走様でした。)

コンビニ人間

コンビニ人間

 

 

どこまでも「普通」であることにこだわる日本の社会をストレートに表現した本で、興味深い内容だなと。

主人公の小倉恵子は36歳独身。コンビニのアルバイト店員として18年間アルバイトをしている。

というところから、ストーリーは始まります。

 

36歳の女性にして、独身。恋愛遍歴もなし。

20代、30代をずっとアルバイトをして暮らしてきた。

週に5日、コンビニの「店員」として生きている。

そんな主人公を社会はおかしな存在として、つまりは「普通でない」存在として見つめている。

「普通に就職した方がいいよ」「普通に恋愛をしたら?」「普通に結婚した方が、女性の幸せだよ」というふうに。

 

すごくシュールな場面と、淡々とした口調で物語は進んでいく中で、現代社会の一面、つまりは”ムラ社会”をうまく描いている物語だと思いました。

コンビニ店員としか生きられない、という振り切った物語なんだけれども、それがいわゆる「普通」を強要する日本の空気感みたいなものが強く描かれていて、共感と、違和感と、そもそも「普通」ってなんだ?と考えるきっかけになる本だと思いました。

 

芥川賞を受賞した作品としては、物語のスケール感とかでいうと、かなり身近に感じられるものだと思ったのですが、それは僕が思うに、この日本社会に対する一つの風刺なんじゃないかと。

この作品が言わんとしていることは、今の社会に対する一つのメッセージとなっているからこそ、そしてそれが物語として奇妙に、うまく描かれているからこそなのではないかなと。

 

僕の感想でした。

普通って、なんだろう。

 

朝からたくさん本を読んでいる一日の昼下がり。

カフェに誘ってくれて、ありがとう。